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2016年、平成28年、丙申の始業式で、時間がなくなったのでお話を途中でやめました。今日はその続きです。
申年ですから、猿にまつわる話をしたいと思います。

栃木県の日光東照宮は、江戸幕府初代将軍・徳川家康を神格化した東照大権現を祀っていることは皆さんも知っているでしょう。ちょうど400年前の1616年に亡くなった徳川家康を御祭神におまつりした神社です。1617年に社殿を建てたそうです。

日光東照宮の建物には、多様な動物の木彫像があり、これらの動物のほとんどは平和を象徴しているそうです。

神厩舎(神様にお仕えする「神馬(しんめ)」の勤務場所)には猿は馬の守り神という言い伝えから、猿の彫刻を施した8枚の浮彫画面があり、この「三猿」は合計8面で猿の一生が描かれており、ひいては人間の一生の過ごし方を説いたものとなっているそうです。


その8面の猿の一生、つまり人の一生になぞらえたものが興味深いので紹介をします。
1つめの面は母猿が、近くに子猿がいまずか、額に手をかざして子猿の将来を案じている様子。
2つめの面は有名な「三猿」の場面で、3匹の猿がそれぞれ耳、口、目をふさいでいまいす。少年期は余計な事は見たり聞いたりしても、むやみに他人に言ってはいけないと言う戒めだそうです。
人の非や足らざは「見ざる、言わざる、聞かざる」「幼少期には悪事を見ない、言わない、聞かない方がいい」という教えです。
3つめの面は座っている猿の姿が彫ってあります。一人立ち直前の姿を表しているそうです。
4つめの面は猿が天を仰いでいます。大きな志を抱いて天を仰いでいます。近くに彫ってある青い雲が「青雲の志」を暗示しているそうです。
5つめの面は下を見て落ち込んでいる猿です。隣には迷い悩む仲間を励ます猿が肩か背中に手を置いています。友が大切だという教えです。
6つめの面は物思いにふけっている猿です。若い猿も恋の季節がやってきて物思いに沈んでいます。
7つめの面は結婚した夫婦の猿。大きな荒波の彫刻は、これから夫婦で乗り越えて行かねばならないという教えだそうです。
8つめの面は子供を宿し、母親の猿が彫ってあります。1つめの場面へと戻る。

今年は特に、「見ざる、言わざる、聞かざる」私たちの周囲には不要な情報や、根拠のない話が沢山あります。それらを峻別する知識・知恵を学校で身につけてほしいと思います。