池田だから学べたこと
MBC南日本放送アナウンサー
田神 沙羅さん
SARA TAGAMI
SSHの活動では、生徒が主体となって研究を進めていきます。実際に現場に足を運んで調査するフィールドワークや独自の装置を作っての検証、白衣を着ての本格的な実験などを行っていました。
私は当時、生物班に所属しており、先輩方から引き継いだ「各港にはどんな種類のアリが生息しているのか」を調査していました。港にアリの採取に行くところから始まり、暑い日も寒い日も友人たちと港にしゃがみ込んでフィールドワークを行ったことは良い思い出ですし、集中力と忍耐力を鍛える場になっていたと思います。
こうして日々研究した成果は、理科研究発表会や様々な学会等で発表をします。
私は日本代表として海外での学会に参加させていただく機会もあり、ここでは英語での発表や質疑応答、国際交流を通して実践的な英語を学べました。発表に向けて、研究内容についてはもちろん、それがどうすれば伝わりやすい表現や演出になるかなども話し合いながら準備をしていくため、プレゼンテーション能力も培えました。
現在、夢だったアナウンサーという職業につき、このニュースはどういうものか、ただ読むのではなく、どのような表現をすれば「読み伝える」ことができるかを考えて日々のニュースに向き合っています。まだまだ未熟ではありますが、少なくともSSHで学んだ思考力や表現力は活かされていると思います。
大学や就職してからは明らかな正解のないものを自分で考え自分で行動することが求められます。高校生から、自分たちで研究をして発表するという実践的な学びを得られるのはSSHならではの経験でした。
(私自身、就職活動でよく聞かれる「学生時代にがんばったこと」という項目にこの経験をよく記載しており、「アリの子」と覚えてもらいやすかった点も利点でした。)